剥皮儀軌契印

本美濃紙(美濃竹紙工房)/天然顔料/墨/大﨑膠/大子那須楮白皮


剥皮儀軌契印

本美濃紙(美濃竹紙工房)/天然顔料/墨/大﨑膠/大子那須楮白皮

藤田飛鳥


紙と膠


画材の素を旅すると必ずそこにあるもの


単調に繰り返される音・リズム・身体性による没入感


人の暮らしと共にあった営みは、

感謝や祈りの祭り事そのものであったと感じる

わたしにとって絵を描くことが自己表現にはならない理由のひとつであり、絵を描く理由のひとつです


川の流れを読み、川の流れに少し手を加え

皮を流す

膠と和紙がシンクロする

水が冷たい、風が冷たい

火が暖かい、湯気が温かい


火と水と人と共にあるもの

なぜ膠で和紙に絵を描くの?への答えです



大崎膠試用所感

大﨑膠は素材である。

画材として使いやすいものにするために、ひと手間かけるとよい。

「コトコト炊く」

そもそも膠とはそういうものだ。

姫路の高木地区に伝わる古典的な川漬けと手作業の脱毛による生皮(きがわ)作りを守り伝えようとする男がいる。

皮に生き、川と生きる大﨑哲生が作った膠。

選ぶ理由はそれだけでよい。